J2ME CLDC/KVM Palmチュートリアル
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> mkdir C:\cldc\bin\tools > mkdir C:\cldc\bin\tools\classes > javac -d C:\cldc\bin\tools\classes -classpath C:\cldc\bin\tools\classes C:\cldc\tools\palm\src\palm\database\*.java > copy C:\cldc\tools\palm\src\palm\database\DefaultTiny.bmp C:\cldc\bin\tools\classes\palm\database > copy C:\cldc\tools\palm\src\palm\database\Wrapper.prc C:\cldc\bin\tools\classes\palm\database |
binフォルダの内部には、ここで作成したtoolsフォルダ以外にも、CLDCクラスライブラリが格納されているapiフォルダとサンプルプログラムに必要なクラスが格納されたsamplesフォルダがあります。これらはこのままの状態でもかまわないのですが、すべてのクラスをひとつの場所にまとめておくと、クラスパスを指定する際などに便利です。
ここではCLDCフォルダにlibフォルダを新規に作成し、その中にapiフォルダのclassesフォルダ、toolsフォルダのclassesフォルダ、samplesフォルダのclassesフォルダのすべてのファイルをコピーしたclassesフォルダを作ることにして、以下の説明ではこのclassesフォルダをクラスパスに指定することにします。
さらに、classesフォルダをZIP形式にアーカイブ化したclasses.zipファイルを作成しておけば、クラスライブラリの扱いはより便利になります(Mac OSの場合は長いクラス名が使用できないという制限があるため、ZIP形式にアーカイブファイルを利用しなければなりません)。
Spotletクラス
プログラムのソースファイルは任意の場所に作成すれば良いのですが、ここではCLDCフォルダにprojectsフォルダを新規に作成し、その中に以下の内容のHelloWorld.javaファイルを作成することにします。CLDCアプリケーションは、この例のようにSpotletクラスをサブクラス化することにより定義します。
import com.sun.kjava.*; public class HelloWorld extends Spotlet { Graphics g = Graphics.getGraphics(); public static void main(String[] args) { (new HelloWorld()).register(NO_EVENT_OPTIONS); } public HelloWorld() { g.clearScreen(); g.drawString("Hello, world!", 50, 50, g.PLAIN); } public void penDown(int x, int y) { System.exit(0); } }
コンパイル
作成したソースファイルをコンパイルするには、作業ディレクトリをprojectsフォルダに移動して、以下のようにjavaコマンドのコマンドラインを入力します(ここではCドライブにCLDCフォルダをセットアップしたと仮定しています)。
> cd \cldc\projects > mkdir tmp > javac -g:none -d tmp -classpath tmp;C:\cldc\lib\classes -bootclasspath C:\cldc\lib\classes HelloWorld.javaMac OSの場合は、javacアプリケーションにHelloWorld.javaファイルをドラッグ&ドロップします。そしてjavacの設定フィールドに以下のように入力し、「Do Javac」ボタンをクリックします(ここではMac OSボリュームにCLDCフォルダをセットアップしたと仮定しています)。
Source files: /Mac OS/CLDC/projects/HelloWorld.java Destination folder: /Mac OS/CLDC/projects/tmp Classpath: /Mac OS/CLDC/projects/tmp /Mac OS/CLDC/lib/classes.zip
検証とテスト
次に作成したクラスファイルを検証します。デスクトップ環境のJavaでは、Java仮想マシンによって実行時に検証がおこなわれますが、J2ME CLDC環境では、実行時の負担を軽くするために検証プロセスは2段階に分けておこなわれます。すなわち、preverifyツールによって事前に生成したスタックマップ情報をクラスファイルに追加することによって、少ないメモリ容量でも実行時の検証ができるようにしています。
クラスファイルを事前検証するには、以下のようにpreverifyコマンドのコマンドラインを入力します。これによってtmpフォルダ内のクラスファイルが検証され、検証済のクラスファイルがclassesフォルダに作成されます。
> mkdir classes > C:\cldc\bin\preverify -d classes -classpath C:\cldc\lib\classes tmpこうして作成したクラスファイルは、kvmコマンドを利用してテスト実行することができます。kvmコマンドは、後述するPalm OS Emulatorのような本格的なエミュレータではありませんが、簡易的な動作確認には非常に便利です。
> C:\cldc\bin\kvm -classpath classes;C:\cldc\lib\classes HelloWorldMac OSの場合は、現時点ではコマンドツールが提供されていないため、検証とテストをおこなうことはできません。
コンバージョン
クラスファイルをPalmマシンで扱えるようにするためには、最終的にはPRC形式に変換する必要があります。このコンバージョンをおこなうためのMakePalmAppクラスは、classesフォルダのpalm.databaseパッケージに格納されています。以下のようにjavaコマンドのコマンドラインを入力すると、HelloWorld.classファイルからHelloWorld.prcファイルを生成することができます。javaコマンドとMakePalmAppクラスの両方に必要なために、classpathオプションが2回指定されていることにご注意ください。
> java -classpath C:\cldc\lib\classes palm.database.MakePalmApp -bootclasspath C:\cldc\lib\classes -classpath classes HelloWorldMac OSの場合は、JBinderyアプリケーションにHelloWorld.classファイルをドラッグ&ドロップします。そしてJBinderyの設定フィールドに以下のように入力し、「Run」ボタンをクリックしてください。
Command Panel Class name: palm.database.MakePalmApp Optional parameters: -bootclasspath /Mac OS/CLDC/lib/classes.zip -classpath classes HelloWorld Classpath Panel Addtions to class path: $CLASSPATH /Mac OS/CLDC/lib/classes.zip
projectフォルダに生成されたHelloWorld.prcファイルをHotSyncでPalmマシンにインストールすれば、他のデモアプリケーションと同様にHelloWorldプログラムを実行することができます。
スクリーンの任意の場所をタップするとHelloWorldプログラムは終了します。
アプリケーションプログラムの作成方法とオプションの詳細については、docsフォルダ内のtools.htmlファイルにまとめられていますので、一度目を通しておくとよいでしょう。
POSE
CLDCで動作するアプリケーションを開発するときに、作成中のプログラムをその都度Palmマシンにインストールして動作テストをしていたら大変手間がかかります。そこで、Palmの開発ツールのひとつであるPalm OS Emulator(POSE)を利用することをお勧めします。
ダウンロード
POSEは、Palm OS Platformの開発者サイトからダウンロードすることができます。POSEにはWindows用(4,764,753バイト)とMac OS用(5,387,116バイト)があり、どちらも最新版はバージョン3.0a5となっています。
インストール
ダウンロードしたファイルを展開すると、エミュレータプログラムのEmulator.exe(Mac OSの場合はPalm OS Emulator)やドキュメントフォルダなどから構成されるフォルダが得られます。このフォルダを適当な場所に移動すれば、インストールはほぼ完了です。
ROMイメージの作成
最後に自分が使用しているPalmマシンのROMイメージファイルを作成します。ROMイメージファイルのは、POSEに付属のROM Transfer.prcファイルをPalmマシンにインストールしてからPOSEを起動し、「File」メニューの「Transfer ROM」コマンドを実行して指示に従うだけで簡単に作成することができます。
日本語文字列
CLDCでは、日本語の文字列をそのままdrawString()メソッドに与えても正しく表示することができません。これはCLDCがUnicodeの文字列処理を完全にサポートしていないためです。ところが以下の例のように、Shift JISの漢字コードをcharの2文字に分割したものを使うと日本語を表示することができます。
import com.sun.kjava.*; public class HelloJapan extends Spotlet { Graphics g = Graphics.getGraphics(); public static void main(String[] args) { (new HelloJapan()).register(NO_EVENT_OPTIONS); } public HelloJapan() { String message = "\u0082\u00cd\u0082\u00b6\u0082\u00df\u0082\u00c4" + "\u0082\u00cc\u0093\u00fa\u0096\u007b\u008c\u00ea"; g.clearScreen(); g.drawString(message, 50, 50, g.PLAIN); } public void penDown(int x, int y) { System.exit(0); } }コンパイルから実行まで
プログラムのコンパイルから実行までの手順は、HelloWorldプログラムの場合と同じで、以下のようにjavaコマンドのコマンドラインを入力するとHelloJapan.prcファイルを作成することができます。
> cd \cldc\projects > javac -g:none -d tmp -classpath tmp;C:\cldc\lib\classes -bootclasspath C:\cldc\lib\classes HelloJapan.java > C:\cldc\bin\preverify -d classes -classpath C:\cldc\lib\classes tmp > java -classpath C:\cldc\lib\classes palm.database.MakePalmApp -bootclasspath C:\cldc\lib\classes -classpath classes HelloJapan
Mac OSの場合も、HelloWorldと同一の手順でコンパイルとコンバージョンをおこないます。
コンバージョンが完了したら、POSEにインストールして動作を確認してみることにしましょう。POSEを起動して「File」メニューの「Install Application/Database」コマンドを実行し、作成したHelloJapan.prcファイルを選択します。これでCLDCアプリケーションがPOSEにインストールされていますので、実行してみてください。
スクリーンの任意の場所をタップするとHelloJapanプログラムは終了します。
Bitmapクラス
CLDCには、イメージを扱うためのクラスとしてBitmapクラスが用意されています。ところがBitmapクラスのインスタンスは、GIF形式やJPEG形式のイメージファイルから生成することができないので、ビットマップデータのバイト列を直接与えることによって生成しなければなりません。
classesフォルダのpalm.databaseパッケージに格納されているBitmapクラスは、Windowsビットマップファイル(BMP形式ファイル)からこのビットマップデータのバイト列を出力するためのツールです。例えば、DukeIcon.bmpファイルからdukeBitmapという名前の変数としてDukeIcon.txtファイルにビットマップデータを生成するには、以下のようにjavaコマンドのコマンドラインを入力します。
> java -classpath C:\cldc\lib\classes palm.database.Bitmap DukeIcon.bmp -dump dukeBitmap DukeIcon.txtMac OSの場合は、JBinderyの設定フィールドに以下のように入力して、「Run」ボタンをクリックしてください。
Command Panel Class name: palm.database.Bitmap Optional parameters: DukeIcon.bmp -dump dukeBitmap DukeIcon.txt Classpath Panel Addtions to class path: $CLASSPATH /Mac OS/CLDC/lib/classes.zip
イメージの描画
以下は、KVMのアイコンでもあるDukeのイメージ(24 X 24ピクセル)から出力したビットマップデータ(ボールドで表示された部分)を使った簡単なプログラム例です。
import com.sun.kjava.*; public class DukeImage extends Spotlet { Graphics g = Graphics.getGraphics(); Bitmap dukeBitmap = new Bitmap((short)4, new byte[] { // File DukeIcon.bmp; size: 24x24 0, 0, 0, 0, 24, 0, 24, 0, 14, 0, 56, 0, 15, 3, 48, 0, 7, -125, -2, 0, 7, -63, -2, 0, 7, -32, -16, 0, 7, -15, -8, 0, 6, -79, -104, 0, 5, 90, 0, 0, 6, -90, 0, 0, 13, -58, 0, 0, 56, 2, 0, 0, 72, 2, 0, 0, 40, 1, 0, 0, 16, 1, 0, 0, 48, 1, 122, 0, 48, 0, -82, 0, 48, 0, -86, 0, 112, -32, -128, 0, 35, 16, -86, 0, 36, 89, 84, 0, 26, -82, -86, 0, 0, 0, 0, 0 }); public static void main(String[] args) { (new DukeImage()).register(NO_EVENT_OPTIONS); } public DukeImage() { g.clearScreen(); g.drawBitmap(68, 68, dukeBitmap); } public void penDown(int x, int y) { System.exit(0); } }
生成したイメージを表示するには、GraphicsクラスのdrawBitmap()メソッドを使用し、描画始点の座標とBitmapオブジェクトを指定して描画をおこないます。
プログラムのコンパイルから実行までの手順は、これまでの例題とほとんど同じなので、これ以降の説明では省略することにします。
Dukeのアイコンが表示できることを確認したら、スクリーンの任意の場所をタップしてプログラムを終了します。
Databaseクラス
Palm OSにおけるデータの入出力は、ファイルシステムではなく簡単なデータベースの機能を使って実現されています。CLDCからデータベースの機能を利用するには、Databaseクラスを使います。
Databaseクラスを利用してデータを出力するには、はじめにcreate()クラスメソッドによってテータベースを作成します。このときに、英字4文字からなるタイプとクリエータを整数値で指定する必要があります。一方、データベースからデータを入力するときには、このタイプとクリエータを指定することによって、特定のアプリケーションの特定のデータにアクセスすることができます。例えば、タイプとして"DATA"、クリエータとして"memo"を指定してDatabaseクラスのインスタンスを生成すると、メモ帳のデータをオープンすることができます。
int dbType = 0x44415441; // "DATA" int dbCreator = 0x6d656d6f; // "memo" Database db = new Database(dbType, dbCreator, Database.READONLY);
電話帳プログラム
以下のプログラム例は、Databaseクラスを使って作った簡単な電話帳プログラムです。
import com.sun.kjava.*; public class PhoneBook extends Spotlet { Database db; Graphics g = Graphics.getGraphics(); TextBox textBox; TextField textField; Button addButton, clearButton, quitButton; public static void main(String[] args) { (new PhoneBook()).register(NO_EVENT_OPTIONS); } public PhoneBook() { int dbType = 0x44415441; // "DATA" int dbCreator = 0x70686f6e; // "phon" db = new Database(dbType, dbCreator, Database.READWRITE); if (!db.isOpen()) { Database.create(0, "PhoneDB", dbCreator, dbType, false); db = new Database(dbType, dbCreator, Database.READWRITE); } textBox = new TextBox("", 8, 8, 144, 106); textField = new TextField("Phone", 5, 122, 150, 10); addButton = new Button("Add", 135, 142); clearButton = new Button("Clear", 105, 142); quitButton = new Button("Quit", 78, 142); paint(); } public void paint() { g.clearScreen(); g.drawBorder(5, 5, 150, 112, g.PLAIN, g.SIMPLE); StringBuffer buffer = new StringBuffer(); int records = db.getNumberOfRecords(); for (int i = 0; i < records; i++) buffer.append(new String(db.getRecord(i))).append('\n'); textBox.setText(buffer.toString()); textBox.paint(); textField.paint(); addButton.paint(); clearButton.paint(); quitButton.paint(); textField.setFocus(); } public void keyDown(int keyCode) { textField.handleKeyDown(keyCode); } public void penDown(int x, int y) { if (addButton.pressed(x, y)) { String text = textField.getText(); if (text.length() > 0) { textField.loseFocus(); db.addRecord(text.getBytes()); textField.setText(""); paint(); } } else if (clearButton.pressed(x, y)) { textField.loseFocus(); int records = db.getNumberOfRecords(); while (records-- > 0) db.deleteRecord(records); paint(); } else if (quitButton.pressed(x, y)) { db.close(); System.exit(0); } } }
このプログラム実行すると、最初に"PhoneDB"という名前のデータベースが作成され、プログラム終了後もそこに入力した電話番号のデータが保存されます。
電話番号を登録するには、 テキストフィールドに情報を入力して「Add」ボタンをタップします。また、「Clear」ボタンをタップすると、これまでに登録した電話番号がすべて削除されます。
プログラムを終了するときは、「Quit」ボタンをタップしてください。
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